SSブログ

インターナショナルスクール・親と教師の本気度 [幼稚園・小学校]

長男がインター校のYear3に入学してもうすぐ1ヶ月が経とうとしています。インター校での入学式とその後にあった懇談会の様子をレポートします(教育系の仕事をしていたのでかなりマニアックな内容です)。

日本のような入学式はなく始業式のような感じでした。理事長と校長先生からのお話の後、校歌を歌い、先生の紹介、その後クラスに分かれて教室に向かいました。Year3は14人で担任はイギリス生まれのインド人、アシスタントティーチャーは中華系の先生でした。生徒はほとんどが中華系で2人インド系の男の子がいました。後から知ったのですが、なんとハーフで日本語を話せる子がいました。長男ラッキーです。

途中で先生から話があると言われ、私たちはドキドキ…。先生からは長男はまだすごく緊張しているので、なるべくリラックスできるようにELSの先生とも連携していくと言われました。とにかく長男がリラックスしてComfortに過ごせることを目標にしていくそうです。先生は子どもたちの話を一人ひとりよく聞いていて、すごく優しそうで熱心な感じでした。
 
2週間後にはParents Nightという講演会があり、その後担任の先生と話すというイベントがありました。長男、次男と参加したら子どもを連れてきていたのはわが家だけで、講演会中静かにさせるのに神経を使い、どっと疲れました。講演会はKirkby International Schoolの校長先生が教育についてお話をされました。単に知識の詰め込みだけでなく、自分で考えて行動していく子どもを育てる教育をしていく必要があるという内容でした。参加していたのは中華系の方が多く、みなさんとても熱心に聴かれていました。途中で携帯を見たり、居眠りをする人は一人もいなかったのが印象的です。

そして担任との懇談会。参加は中華系のお父さん2人とお母さん1人、そして私たち家族でした。担任の先生からどういうことを勉強しているか、何を目的として教育を行っていくかと言う話がありました。先日は家からコスチュームを持っていき、ファッションショーをしたそうです(長男は指示がわからず、何も持って行きませんでした)。これはIPCという授業の一環で先生は生徒がSee(観察して色々なことに気づく)から、Think(気づいたことを元に考える)からWonder(自分なりの疑問を持つ)に移行するようにサポートするのだそうです。今後、ローマ時代のファッションはどんなものか、どんな機能・理由があるのか(歴史)、エジプトやヨーロッパなど外国のファッションとその機能・理由(地理)などをPCを使って子どもたち自身に調べさせたりして(ICT)授業を展開していくそうです。
 
ちなみにIPCとは、イギリスのBath大学で考案されたInternatinal Primary Curriculumの略で国際的な初等教育のカリキュラムです。教科ごとに教えていくのではなく、一つのテーマで教科を横断した授業を展開して各教科の総合的な力をつけていくという方法です。
 他にも子どもたちが注目しやすいように色使いや配置に配慮して掲示を行うなど、子どもの発達段階や認知機能の発達にかなり詳しく、そして先生自身が教育に対して情熱を持ち、しっかり考えて工夫している姿が良く伝わってきました。
さらに、HRでは英語が苦手なうちの長男がクラスの中で活躍する場を持てるように、「おはよう」「こんにちは」など、簡単な日本語を紹介するコーナーがあるそうです。この説明を聞いた中華系のお父さんが私たちの方を見て「That’s Nice」とにっこりしてくれました。先生の気遣いも、自然に受け入れてくれる保護者の存在も本当にありがたいです。

興味深かった点はClassroom Ruleが黒板に掲示されていて、各自のサインがしてありました。先生は怒らないのだそうです。子どもが授業中ふざけたり、遊んでいたりすると、「このルールに違反しているよ、ちゃんとサインしたから守りましょう」と言うのだそうです。子どもたちはなぜ先生に注意されたのかが明確なので受け入れざるを得ません。こうしてルールを守ることを教えていきます。
教室の前には雨と虹と太陽のマークがあり、悪い行動や良い行動をすると、それに応じてそのマークがもらえるのだそうです。「お友達がふざけてて雨マークもらったよ」「今日は算数で答えたら晴れマークもらった」と長男は毎日楽しみにしています。

また、これとは別にHouse Pointというのがあります。学校全体で縦割りに4つのグループが設定されており、いい行いをするとHouse Pointがもらえます。これはハリーポッターを参考にしたものだそうで、ポイント表の隣にハリーの写真が貼ってありました。長男はハリーポッターを見たことがないので、慌てて見せて、理解できたようです。これも「マンダリンのクラスでプリント読めたら先生がポイントくれた!」などと喜んでいます。行動面と学業面のポイントにわかれているので、学業面がいい子だけが褒められるわけではなく、どの子も活躍できるようにと配慮しているのだそうです。

印象的だったのは、参加したお父さん2人がどんどん先生に質問をし、どんどん議論が広がっていったことです。自分の子どもはどうかと聞くような質問はなく、Wonderを引き出すためにはこういうことが必要だと思うがそれについては先生はどう考えるかとか、高度な質問が多かったです。親も本気なら先生も本気というのがよくわかり、私たちはただただ唖然として見守るばかりでした。
長男もがんばっているし、私たちもがんばらなきゃなーと思いました。
ちょっと天然な長男は学校で何した?と聞いてもランチの内容とおいしかったかどうかしか教えてくれませんが、インド系の友達もでき、楽しく通っています。

<スポンサーリンク>



<人気記事ランキング>
1位 → 家計公開!日本とマレーシアでの生活費比較!
2位 → クアラルンプール国際空港の新LCCターミナル「KLIA2」
3位 → マレーシアでの携帯電話の購入と契約
4位 → マレーシアのインターネットプロバイダ契約
5位 → 自分の知識やスキルをお金に換えるクラウドソーシング
6位 → 日本円 → マレーシアRMへの両替
7位 → 海外就職活動5 <企業への応募>
8位 → 移住時の持ち物リスト
9位 → 移住に向けての準備2
10位 → 家具と家電の購入

にほんブログ村
にほんブログ村 海外生活ブログ マレーシア情報へ
人気ブログランキング

コメント(7)  トラックバック(0) 

コメント 7

まあこ

チッカさん、こんにちは!Twitterでいつも見ています。
インターの教育が詰め込み方式の日本と全く違うので、はぁー!と感嘆しきりです。今、うちの息子は幼稚園の年長で来年からもしかするとマレーシア転勤に。日本人学校に入れるかインターに入れるか本当に悩んでいます。自分の英語力やまだ息子に日本語の力も十分備わってないことなど…。
もし宜しければチッカさんの個人の考えで構わないので子どもの入学について助言が頂けたら嬉しいです。
Twitterの書き込みも楽しみにしています!
by まあこ (2014-10-01 10:11) 

チッカ

コメントありがとうございます。
本当にインターの教育は日本と全然違うのでびっくりすることが多いです。一長一短なのでしょうが、私たちはせっかく海外に住んでいるのだから、マレーシアのインターを体験して欲しいと思ってインターを選びました。子どもの学校選びは誰でも悩むと思いますが、

・マレーシア(や海外)に何年いる予定か
・子どもにどんな力をつけて欲しいか

を軸に選ぶと良いのではないでしょうか。
マレーシアには1、2年滞在するだけでその後はずっと日本にいるのであれば、わざわざインターに通わなくてもいいかもしれません。日本人学校は何から何まで日本!という感じだそうです。お子さんはスムーズに溶け込めるし、日本のカリキュラムなのでその後日本に戻った時も遅れや取りこぼしがありません。

インターならいろんな国のいろんな文化的背景を持つ子どもと一緒に過ごす経験ができます。英語力はもちろん、このような経験をしてほしくてわが家はインターを選びました。1年生なら英語力はそれほど問題にされずに入れるところが多い印象です。ただ、短期で日本に帰るつもりなら、家で漢字や本読みなどやっておく方がいいですね。

1、2年生の内容は簡単なので、それほど大変ではないと思いますよ。年長さんならもう日本語の基礎はできているので、家庭で日本語を使ってコミュニケーションをしていれば問題ないと思います。わが家の3歳の次男は英語はほとんど話さず、日本語力はかなりアップしています。

わが家のように1年生の間は英語教育のキンダーに入れるという手もあります。マレーシアの公立小学校は7歳からなので、同じ年齢の子もまだキンダーにいます。キンダーによっては英語、算数、マレー語、マンダリンの授業がありますよ。
色々と書いてしまいましたが、参考になれば嬉しいです。
by チッカ (2014-10-01 11:20) 

まあこ

チッカさん、お返事ありがとうございました!
実は現在避難の為夫とは離れて暮らしており、それが子どもにとっても大変苦痛だったので親子揃って台湾へ移住しようかと考えていた矢先の転勤話だったのです。これは日本の学校教育に色々と行き詰まりを感じていた私達には願っても無いチャンスで、ここで語学を習得し、子どもには日本に縛られない自由な人間になってほしいと考えています。
ですので、マレーシア駐在を終えても最悪再び母子だけになるとしてもマレーシアに残りたいと思っているほどです。

うっかり入学にこだわってしまっていたのですが、お話を聞いて選択肢が広がったように感じました。是非キンダーを探してみようと思います!

そこでまたもう一つ質問なのですが、日本人向け留学エージェントを通してキンダーを探すのはオススメですか?
土地勘が無く英語も満足に出来ないのでエージェントに頼る他にないとは思っているのですが…^_^;
by まあこ (2014-10-01 18:18) 

チッカ

今は避難してらっしゃるんですね。家族で暮らせるようになるとお子さんも嬉しいですね。
ブログにも書いていますが、長男は日本の小学校に5ヶ月行き、それからマレーシアにきてキンダーに入りました。1年足らずでしたが、マレー人やインド人の友達にも物怖じすることなく、遊べるようになりました。

マレーシアでは英語が得意でない外国人に慣れている人が多いので、キンダー入学くらいならそんなに英語力は必要ないと思いますよ。筆談を駆使すればけっこういけます。
ブログにも問い合わせの英語文例が載っていますので、よろしければ参考になさって下さい。

ツイッターのDMやメールでのご連絡でも結構です。
マレーシアに来たらぜひ遊びに行きましょう!
by チッカ (2014-10-01 20:18) 

まあこ

ありがとうございます?
うちの子は何処より家(私のそば?)が好きなので一体どうなることやら悩ましいですが、私たち両親がブレることなく頑張りたいと思っています。
マレーシアに着任しましたら是非チッカさんの息子さん達と遊ばせてください。楽しみにしています? そしてこれからも宜しくお願いします。
by まあこ (2014-10-01 21:45) 

hidesan

こんにちは
「マレーシア 移住」からたどり着き、楽しく拝見させていただいておりますし、twitterでも同様に拝見しております。
今年、家族を連れてクアラルンプールとシンガポールへ2回ほど訪れ、溢れる活気に魅了され、家族で移住したいと夢を常に抱き続けております。長男(中2)も留学したいと言い始め、中学生や高校生にはどこが良いかと思案している次第です。
もう1度家族で2週間ほど滞在し、長男には体験授業などがあればトライさせてみようと思います
ご家族元気に色々と動かれているのを拝見し、私も勇気をもらっております。
by hidesan (2014-10-28 17:34) 

チッカ

hidesanさん、コメントありがとうございます。
マレーシアもシンガポールも活気があって楽しいですよね。息子さんも留学したいなんて頼もしいですね。よい経験ができることを祈っています。
by チッカ (2014-11-03 12:23) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。